自由に不自由を選ぶ

長女が不登校になりたてで、精神的に参っている時に出会った本、

『生きがいについて』神谷美恵子

「放り出して自殺やその他の逃げ道をえらぶこともできるのだ。そういう可能性を真剣に考えた上でその「宿命的」な状況をうけ入れることに決めたのならば、それはすでに単なる宿命でもあきらめでもない。一つの選択なのである。」

私は、この文章を読み、自分は、自殺等でこの状況を放り出す選択もできたのに、自由にこの身動きのとれない不自由を選んだのだと覚悟ができた。そんな選択をした人へのアドバイスとして以下のことも書かれていた。

「粘菌という原始的な生物ですら、外的条件が不利なときは、自己のまわりに固いからをつくり、最小限度の生命を維持し周囲の状況が良くなるのを待つ。人間もまた外的条件に恵まれないときにはなるべく抵抗を少なくして、エネルギーの消耗をふせぎ、何とかその時期をやりすごすほうが全体からみて得策のことがある。」

長女・長男の2人が不登校の現在、私は今も冬ごもり中。自分の精神状態が穏やかに保てることを、第一優先にして日々を送っている。極力、自分に悪影響を与えそう場所、人には近づかないよう注意している。時期が到来するのを伺いながら、自由への意志を秘め、自分で選んだ不自由なのだという覚悟で、何とかこの時期を乗り越えられたらいいなと思う。