傷つけ傷つく

またやってしまった。

自分の不意な一言で次女を傷つけることを。

ここ数週間、ほぼ毎日、次女は散歩に行っている。

雨の日も、風の日も。30分〜60分。

外の空気が気持ちがいい。新しい道を歩くのがワクワクするとのこと。

体を動かすのはいいことだし、次女の歩きたいという前向きな気持ちも嬉しい。

問題は2つ。私は、人のペースに合わせて歩くことが苦手なこと。そして、自分の時間が奪われることにも疲れてきたこと。

今日、一緒に歩いていた時、不意に次女に

「歩くペースがちょっと遅い」

と言ってしまった。次女は

「気持ちが萎えた」と言い、

そのまま、家へ帰った。

私は相変わらず、自分優先で、未熟で途上。

マザーテレサのように愛に溢れる人に憧れながらも、自分の子ですら、愛が不十分。

むしろ、自分の子だからこそ、気遣いのない、本能剥き出しの自分が現れてしまうのかもしれない。

そんな、未熟な自分を再認識して、落ち込み、傷つく。

神々の山嶺」の最後の文章に、

「歩き続けている途中で死は訪れる。死んだ時に何の途上であったのか、そのことこそが重要。」

未熟な自分でも、歩き続けるしかない。少しでもマシな人になることを目指して。

 

神々の山嶺 納得できる生き方とは?

Audible『神々の山嶺(かみがみのいただき) 

夢枕 獏』を聴いた。

謎に包まれていたものが、次第に明らかになってゆくワクワク感。

ヒマラヤに登るってそうゆうこと?!そんなに大変なことだったんだ!との単純な驚きと好奇心。

そして、主人公、羽生丈二の全てを捨ててでも自分の納得する生き方を貫こうとする真摯な姿勢。

一気に聴いた。

自分の人生を懸けて誰もやっていないことに挑戦する。それが、羽生丈二の生き方。

私には羽生丈二のように人生を懸けたいものは見つかっていないし、羽生丈二のような生き方をしたいとも思わない。

ただ、「自分の納得できる生き方をしたい。」とゆう、羽生丈二の思いには共感ができた。

自分の納得できる生き方は、一体どんなものなのか?

少なくとも他者基準ではない生き方だろう。

自分の心が動くものに集中、動かないものは削ぎ落とす。その、試行錯誤の中で、納得する生き方を見つけていけるといいな。

ライミングを始めた私に、この本をオススメしてくれた、本好きの空手家に感謝。本好きの人が紹介してくれる本は間違いない。

 

勇者の魂

悲しみの秘儀 若松英輔

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167914141

以前から気になっていた本。表紙は沖潤子さんの刺繍。Audibleで聴いた。

やさしく、温かい本だった。

「悲しみは忌むべき対象ではない。」

本全体で名著や古典の引用や実際のエピソードを通じてそのメッセージが語られていた。

いくつか自分に刺さった言葉。

・悲しみを背負って歩くものに勇者の魂が宿っている。

・悲しみには美が宿る。苦境にあっても日々を懸命に生きるものが放つ光のような美

・人生には悲しみを通じてしか空かない扉がある。

・悲しむものは新しい生の幕開けに立ち会っているのかもしれない。

・悲しみは勇気と希望の証

子供が不登校となり、言葉にはできないのだけど悲しみが訪れることがある。

その悲しみについて深く考えたことはなかったのだけれど、この本を聴き、訪れる悲しみを温かく向かい入れたい気持ちになった。

自分の胸の中に勇者の魂が宿ることをイメージしてみる。何だか元気が出てくる。

パンクな刺繍

金沢の国立工芸館で開催されていた心象工芸展で沖潤子の作品を見てきた。パンクな刺繍。

以下、沖潤子の作品。

https://kosakukanechika.com/artist/junko_oki/

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ちょっと不気味だけど、嫌な感じはしない。

なんだか懐かしい。

自然の中にいるような、ジブリの世界。

布がひっそりと生きているような。

静かだけど力強い。

私が沖潤子の作品に惹かれるのは、律儀でちゃんとした表向きの自分から解放されて、自由になりたい欲があるからなのかもしれない。

会期ギリギリ、見れてよかった。

こだわりすぎないこだわり

お菓子作りが好きだ。

特に寒い季節になると無性に焼き菓子が作りたくなる。

最近の私のお菓子作りのこだわりは、クソ真面目だけど以下の2点。

①米どころ富山。米の消費拡大に貢献したい→米粉を使う

地産地消に貢献したい→地元の野菜や果物を使う。

おいしくなるならバターも卵も使いたい。

子供が小さい頃、長女の卵アレルギーもあったため、ストイック過ぎるおやつを作り子供達を焼き菓子嫌いにさせてしまった過去がある。

この、こだわりすぎないこだわりにフィットする本に出会った。

「やさしい米粉のおやつ 創房優」

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784635450805

岐阜県にお店もあるらしい。いつか行ってみたいな。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/fba93f13b3a40e49964a2355e162d526370913f3

ちょうど、いただいた「ゆず」があったのでゆずジンジャークッキーを作った。レシピには「ジンジャーパウダー小1/3」そんな特殊なものはわが家にない。

チューブの生姜を適当に混ぜた。問題ない。

こだわりすぎないこだわりが私流。

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何も咲かない寒い日は

「何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばせ

やがて大きな花が咲く」

いい言葉だと思った。

今日、空手の昇段審査をした武道館にこの書があった。

ラソン高橋尚子さんが座右の銘にしていて広く知られている言葉。以下関連記事。

https://www.php.co.jp/php/topics/article-35347.php

不登校の子供達にも当てはまる気がした。

家に引きこもる長男(中1)、次女(小4)。

何もしてないように見えるけれど、根を伸ばしている最中なのかもしれない。

そう考えることで、焦る気持ちから解放されて、少し楽になれる気がする。

小4〜中3の6年間不登校で無気力に見えた長女(高2)は今はやる気に満ちている。アルバイト、海外留学、英検2級取得。根を伸ばした結果なのだろう。

焦らず、長男、次女を見守りたい。いつか、花が咲く時が来るだろう。

私は今日、初段を取得し黒帯になった。

空手を始めて3年7ヶ月。

花が咲きました。

解夏(げげ)

一緒に走っているブラインドランナーは、自分の目の病気をなかなか受け入れられず、同じ病気をもつ主人公が登場する本をよく読んだという。

その中の一冊が「解夏(げげ)さだまさし

私も読んでみた。病気のことはほとんど話さず、いつも明るい彼女。

病気の名はチューベッド病。難病だった。

https://www.nanbyou.or.jp/entry/187

本の中では、目が見えなくなる恐怖と戦う主人公が描かれていた。目が見えなくなると、その他のチューベッド病の症状から解放される病気とのこと。

いつも明るい彼女も、目が見えなくなる恐怖と戦っているのだろう。私には想像することすらできない。

子供の不登校だけで、悲劇のヒロイン気取りだものな。

世の中には私には想像することもできない苦しみがたくさんあるのだろうな。当たり前だけれど。

色々なことを知れば知るほど、言葉に慎重になり、私はどんどん無口になってゆく。

明日も彼女と走る予定。さあ、何話そう。

無理して話さなくてもいいのかも。