職場の近くに、お抹茶を点出ししてくれる場所がある。季節に合わせた器、和菓子が楽しい。また、簡素な静かな場所で、よく手入れされた庭を見ながらお茶を飲む時間は、俗世間から離れた非日常を味わうことができる。
「茶道は、日常生活の俗事の中にあって美しいものを崇敬する一種の儀式」
茶道に限らず、日常生活で美しいものに気づくことは、日々を豊かにするために大切なことのような気がする。
長田弘の詩、「世界はうつくしいと」を思い出した。以下、一部抜粋。
「いつからだろう。ふと気がつくと、うつくしいということばを、ためらわず口にすることを、誰もしなくなった。そうしてわたしたちの会話は貧しくなった。うつくしいものをうつくしいと言おう。」
最近、美しいものに、出会っているはずなのに、それを感じるゆとりがなくなっていたなと感じる。美しいものを美しいと感じる心を思い出したい。