自分がおいしいと思うものを作り続ける

いちじく愛が爆発しているいちじく農家さんに話を聞く機会があった。

いちじく好きの私は、この農家さんの栽培するいちじくの大ファンでもある。

商品にならなかった外見の悪いいちじくを無駄にしないよう、それらを使ってジャムも作って販売している。

昨年までは、生のいちじくもジャムも何とか買えたけど、今年は並ばないと買えないくらい大人気。開店から15分で売り切れる。

口コミなどでどんどん人気が高まっている。

ジャムは、作ったらすぐに売れてしまうので、もはや幻のジャムとなっている。

なぜ、こんなにも人気なのか? 

秘訣を聞いてみた。

『調理の専門知識もない。容器のデザインセンスもない。なので、背伸びして、オシャレなジャムを作ろうとしない。ただ、自分がおいしいと思うものを作り続けているだけ。そして、食べたお客様と「おいしいね~」と共感をしたいだけ。このいちじくジャムの味が好きなお客様が集まってきているだけのこと。』とのこと。

自分がおいしいと思うものをお客様に提供するぶれない姿勢。潔くてかっこいい。

商品を開発するときは、消費者ニーズに合ったものをと考えてしまうけど、いちじく愛が爆発しているこの農家さんには、それを超越した差別化された商品が出来上がっている。

そもそも、ジャムの作る原材料のいちじくが他では真似できないくらいおいしいからなぁとも思う。

人気のいちじくジャムの作り方と人間関係の作り方は共通しているのではないかと思った。

自分が好きだと思うものに関わり続ける。人の目は気にしなくていい。自分の「好きな事」を追求しているうちに、自然に、自分の「好きな事」が好きな人が集まってくる。

いつだったかの暮しの手帖

「好きなことに打ち込みましょう。そうすれば自然と同じ志をもつ人に出会えるでしょう」

とあった。

自分の「好き」のセンサーに正直に、真っ直ぐに。いちじく農家さんの話から改めてそう感じた。