瀬尾新(はじめ)回顧展へ行ってきた。
私の漆器のイメージを覆えす。
無骨かつ美しい。力強いけど繊細。
一見、陶器のようなので、持ってみるとその軽さに不意打ちを食う。
http://www.milestone-art.com/htm/2009seo.html
新さんの息子さんから話を聞いた。
父(瀬尾新)は、11人兄弟の末っ子で、祖父の後を継ぎ「漆道」の世界に入ったとのこと。祖父のような斬新な漆器を作ることはできず、自分なりの作風を作り上げたが、祖父と自分を比較し、50年間葛藤し続けていたとのこと。
へぇ。自信満々に作っていた作品ではないのだと思った。
そして、心細く、不安を抱え、これでいいのかと葛藤しながら作った作品と思うと、余計に作品が愛おしく感じた。
ネガティブな感情を抱えながらも、良い仕事ができる。もしかしたら、ネガティブな感情があったからこそ良い仕事ができたのかもとも思う。
自分に置き換えてみる。
子供の不登校をきっかけに、自分はこれで良いのかの問いと葛藤、不安や心細さといったネガティブな感情はつきまとうようになった。
それでも、瀬尾新のように、自分にできることを丁寧に積み上げる。目の前の自分のできることに集中する。
それでいい。